
市場調査ってよく聞くけど、手順や方法が分からないな。
という疑問を解決できる記事です。
ここで解説する「市場調査(ニーズ調査・デプス調査・メンタルアカウント分析)」を理解・実践すれば、ロジカルに市場調査を行うことができます。
1.全体像
市場調査は、以下の順序で行います。
①ニーズ調査
②デプス調査(インタビュー)
③メンタルアカウント分析
④ペルソナ設定
⑤市場普及率分析(市場規模算出後)
では、1つずつ解説していきます。
2.ニーズ調査
ニーズ調査とは、「顧客が何を求めているか」を調査することです。
調査を行う際は、シンプルに「こんなサービスがあったらどうか?」と聞くことが大切です。
調査で得た回答は、必ずカテゴリーに分け、整理を行いましょう。
3.デプス調査
デプス調査とは、直接対面でヒアリング(インタビュー)を行う調査です。
ニーズ調査の中から特定のニーズが確認できたカテゴリー層を呼び、5~10人程度にインタビューを行っていきます。
必ずリラックスした環境での調査が必要で、質問も以下の手順に則り行うことが重要です。
1.スモールトーク
・日常会話でリラックスさせる
・そして自分のことも良く話して相手に安心感を与える
2.ライフスタイル質問
・趣味や家族構成や職場や帰宅時間、出勤時間、子供の保育園の時間など平日と休日でその人の1日を聞き出す
3.ワンアヘッド質問
・実際の年収や、家族の経済状況、そしてローンなどの残高など折り入った質問を行う
4.自社サービスへの質問
・サービスに対しての意見をもらったり、なぜ必要・不要だと思うかなどWHYを3回聞くような質問を繰り返す
まず、日常会話でリラックスさせ、自分のことを話し安心させてから、最後に提供したいサービスについて質問することがポイントです。
4.メンタルアカウント分析
メンタルアカウントとは、直訳すると「心の預金口座」です。
お金の価値は常に同じだが、実際に人がお金を扱う時には、状況によって価値の感じ方が変わり、判断や使い方に影響を与える傾向があります。
例えば、普段の1,000円のコーヒーは高いと感じるが、旅行先で飲む1,000円のコーヒーは高いと感じないといったことです。
これは、お金の出し所となる、口座が異なるからです。
普段は、「食費の口座」からコーヒー代を捻出するため、高く感じます。
しかし、旅行先では「娯楽費の口座」からコーヒー代を捻出するため、高いと感じないという理屈です。
このメンタルアカウント分析を行い、お客様がサービスに支払う金額を見極めていきます。
5.ペルソナ設定
ペルソナ設定とは、特定の人物像を作り出すことです。
この設定は、デプス調査後に行います。
リアリティのある詳細な情報を設定することがポイントです。
具体的には、以下のとおりです。
氏名、年齢、家族構成、仕事、通勤、困りごとなど、詳細に設定していきます。
ペルソナ設定した人物像をベースに、「そのサービスに支払う金額」、「サービスを必要としている人数」を算出します。
6.市場普及分析
例えば、ペルソナ設定で例に挙げた「宅配晩御飯サービス」の場合、1ヵ月の晩御飯代の半額の2.5万円なら払いたい、10人中8人に購入意向がありとの調査結果であったため、以下のとおり、市場規模が算出されます。
2.5万円/月 × 2万人×80% = 4億円/月(48億円/年)
ここで注意が必要なことは、サービスリリースの段階で「48億円/年」を目標として設定しないこととです。
ここで、安易に「48億円/年」を目標設定してしまうことは誤りです。
市場普及の流れを理解する必要があります。
顧客全体に、普及するには、5つの段階があります。
1.イノベーター(2.5%)
・最先端なモノが好きな層
2.アーリーアダプター(13.5%)
・比較的新しいモノが好きな層
3.アーリーマジョリティ(34%)
・平均より早めに新しいモノを取り入れる層
4.レイトマジョリティ(34%)
・自分にメリットがあると確証を得ないとこ購入に至らない層
5.ラガード(16%)
・文化レベルで世の中に浸透しないと購入しない層
新しいものに興味関心の強い、イノベーター・アーリーアダプター層(16%)をしっかり獲得していく戦略が重要です。
市場規模としては、「48億円/年×16%=8億円/年」を狙います。
16%の大半を占める「アーリーアダプター13.5%」を確保するには、「ニッチ戦略」が必要です。
コーヒー店の場合は、コーヒーだけでは、アーリーアダプター層に訴求していくには厳しいです。
「高級ケーキ」など、コーヒー以外の組み合わせで、「ちょっと気になる!」を引き出す「ニッチ戦略」が重要となります。
7.まとめ
市場調査には、5つの手順があります。
①ニーズ調査
②デプス調査(インタビュー)
③メンタルアカウント分析
④ペルソナ設定
⑤市場普及率分析(市場規模算出後)
いずれも欠かすのことできない重要な要素です。
一つ一つをしっかり分析し、精度の高い市場調査を行い、事業の拡大に繋げていきましょう。
では、また!