
リスクを最小限にした住宅購入方法ってないのかな?
と不安や疑問をお持ちの方の悩みを解決できる記事です。
ここで解説する「投資家目線で行う住宅購入方法」を理解すれば、将来的なリスクを最小限にした上で安心して住宅購入できます。
では、さっそく行きましょう!
目次
1.資産価値とは
まずは、資産価値の構成要素を理解しましょう。
不動産分野の資産価値とは「建物」と「土地」の持つ経済的な価値で構成されています。
不動産を売却する際の金額も「建物」と「土地」をベースに相場価格が決定されます。
売却価格自体は任意で決定できますが、あまり高い価格としてしまうと問い合わせすらこない状態になってしまいます。
そのため、購入時に売却するときの相場価格をあらかじめ把握しておくことがとても重要になります。
2.資産価値の推移
建物と土地の経年による価格を推移を見ていきます。
(1)建物の価格推移
出展:国土交通省
木造の新築戸建ての場合、以下の通り下落し耐用年数の22年で建物の価格は0円になると言われています。
建物の下落率 3年:▲10% 6年:▲20% 8年:▲30% 11年:▲40% 13年:▲50% 15年:▲60% 17年:▲70% 20年:▲80% 22年:▲100%
非常に早いスピードで資産価値が減っていくことがわかります。
ちなみにその他構造の耐用年数は以下のとおりです。
軽量鉄骨プレハブ造(骨格材肉厚3mm以下) | 19年 |
軽量鉄骨プレハブ造(骨格材肉厚3mm超4mm以下) | 27年 |
重量鉄骨(骨格材肉厚4mm超) | 34年 |
鉄筋コンクリート造 | 47年 |
(2)土地の価格推移
出展:三菱UFJ不動産販売
土地の価格については、建物とは異なり「ほぼ横ばい」で推移しています。
景気に連動する要素はありますが、建物のように経年により極端に価格が落ちることはありません。
3.売却時に損しないライン
(1)資産価値の下落率
新築木造戸建4,000万円(敷地面積40坪)の資産価値の経年による下落率を見てみましょう。
【前提条件】
①建物価格:2,000万円
②土地価格:2,000万円(土地価格は22年間一定とする)
新築の建物は、新築プレミアムとして販売価格の1~3割ほど不動産会社の利益が乗っています。
そのため、本シミュレーションでは1年目で建物価格を「2,000万円」から販売価格1割にあたる「400万円」を差し引き「1,600万円」としています。
上記のグラフを見てわかるとおり、資産価値は「22年」で建物価値が▲100%下がるため、「資産価値=土地価格」となります。
(2)損せず売却できるタイミング
諸経費は頭金で清算し「4,000万円を35年・固定金利1%」で銀行から借り入れた場合、いつ売却すれば損をしないか簡易的にシミュレーションしてみます。
新築プレミアム分が急激に下落した結果、1年目から10年目までは資産価値より住宅ローンの残返済額が多く、損してしまいます。
11年目以降からは住宅ローンの返済額よりも資産価値が上回り、売却益が得られるようになります。
しかし、建物の老朽化が激しい場合は、更地にしないと売却できない可能性があります。
その場合は、解体費用を持ち出す必要があります。
【解体費用の目安】
20坪 | 30坪 | 40坪 | |
木造 | 80~100万円 | 120万円~150万円 | 160~200万円 |
軽量鉄骨造 | 120~130万円 | 180万円~195万円 | 240万円~260万円 |
重量鉄骨造 | 130万円~140万円 | 195万円~210万円 | 260万円~280万円 |
RC造(鉄筋コンクリート) | 120万円~160万円 | 180万円~240万円 | 240万円~320万円 |
仮に20年目に売却する場合は以下の通りとなります。
・資産価値:2,300万円
・住宅ローン残元金:1,900万円
・解体費用:200万円(木造戸建40坪)
⇒売却益:200万円
資産を売却する際には、資産価値と住宅ローンの残元金を把握したうえで、適切なタイミングで売却すれば理論上は損することはありません。
4.資産価値が高い物件の条件
(1)利便性
資産価値の維持・向上には利便性が重要です。
通勤し易く、遠方に行きやすなど、最寄り駅が都心に近く、居住地が駅に近い方が需要が高まります。
また、スーパー・コンビニや商業施設が近いことや保育園・小学校・中学校が近いことも、資産の価値を高める要素となります。
(2)街の将来性
少子高齢化により、2053年には人口が1億人を割ると言われています。
将来性があるエリアに人口が流入し将来性のないエリアは人が集まらず、空き家問題に直面し、土地相場が下落することが予測されます。
商業施設の開発予定や現状の人口増加率も判断材料に加えましょう。
(3)家賃相場
「購入を検討している物件」について、駅までの距離や間取りなどから家賃相場を調べましょう。
「いくらで貸し出しできるのか」予め把握してくことが重要です。
調査の結果、「住宅ローンの支払金額」よりも「家賃相場」が低い場合は注意が必要です。
万が一手放さなければならなくなった場合、損をする可能性が高くなります。
逆に「家賃相場」より「住宅ローンの支払金額」が低い場合は、資産価値の高い物件であることが言えます。
(4)土地の評価
①地盤
建売住宅の場合は、購入検討物件の「地盤調査報告書」を必ず入手しましょう。
報告書の「換算N値」を確認し、地盤の状況を確認します。
一般的に粘性土であれば換算N値が3以下、砂質土では換算N値が5以下であれば軟弱地盤となります。
地盤の状況に応じた改良工事がしっかり行われているか確認しましょう。
地盤改良方法
<表層改良工事>
・軟弱地盤の層が地表から2m程度の場合
→表層地盤を1m程掘り起こしセメント系粉体固化剤を混ぜて強固な地盤にする工事
<柱状改良工事>
・軟弱地盤の層が地表から2m以上8m以下の深さの場合
→地盤に直径40~60cmの穴を掘り、その中に固化剤を入れて柱状体をつくり土と摩擦抵抗で建物を支える工事
<鋼管杭工事>
・地番が相当悪いケース
→軟弱な地盤が分厚く分布していてその下に強固な支持地盤がある場合に適した工法。支持地盤(強固地盤)まで杭を打ち込み建物を支える工事
②道路状況
接道2m以上、前面道路4m以上であることを確認しましょう。
この条件を満たしていない場合、建て替えしようとしても法律的にできません。
建築基準法により、都市計画区域内で建物を建てる場合、原則として幅員4m以上の道路に2m以上接した土地でなければならないと決められています。
また、接道2mで駐車スペースがギリギリであったり、前面道路が狭く駐車し辛かったりすることは、土地評価を下げる要素になります。
ポイント <接道> 家の敷地が道路に触れている幅のことを示しています。 旗竿地の場合に注意が必要な観点です。 <前面道路(幅員)> 建物の前の道路の道幅のことです。 一部区域では6m以上が必要となっています。 これは、火災や地震などの災害が起きたときの避難経路、消防車や救急車が通れる経路の確保が目的となっています。
③立地や土地の形
出展:SUMO
上記の画像は、「南道路側の中央の土地」を基準した場合の土地評価です。
ご覧のとおり、南道路に面した角地の価格が高くなっています。
最も安い土地は真ん中に位置している旗の形をした「旗竿地」となっています。
④日当たり
日当たりが悪いと湿度が高くなりカビが発生したり、健康被害に繋がるケースもあります。
南向きで1日中日当たりがよかったり、建物と建物との間隔が取れていたりする物件は土地の評価が高い傾向にあります。
(5)災害に強い
各自治体のハザードマップを確認し、水害や地震の液状化に強いエリアを選択しましょう。
2018年7月の西日本豪雨の被害のあった岡山県や広島県の特定エリアについて、実際に地価が下落しています。
2019年10月に水害のあった武蔵小杉駅周辺については、2020年3月に国土交通省の地価公示では上昇となっています。
「被害=地価下落」とは一概に言えませんが、下がっているエリアがあることが事実ですし、世間の印象もネガティブに変わり需要が減ることも推察されます。
災害に強いエリアを選択し、資産価値を守りましょう。
5.投資家目線で大切なこと
変化の激しいAI時代です。
2030年には日本における仕事の49%がAIによる代替可能性が高いといった研究結果も出ています。
こんな環境下において、一生同じ家に住み続けることは当たり前でしょうか。
「住宅は一生に一回の買い物」で「終の棲家」という概念もまた変化していくものだと思います。
そのためには、住宅購入を「投資家目線」で行わなければなりません。
上記で解説したポイント踏まえ、住み替えを前提にした上で資産価値の高い住宅に投資しましょう!
では、また!