成長株と高配当株アイキャッチ

投資

成長株投資(S&P500指数)と高配当株投資(SPYD)どっちがお得?

2021年6月6日

米国高配当ETFに興味があるけど、利回り、手数料や為替コストはどちらがお得なんだろう?

こんなお悩みを解決します。

 

本記事の内容

・米国株の「キャピタルゲイン投資(※1)」と「高配当株式(インカムゲイン)投資(※2)」の特徴(利回りなど)と為替コスト・手数料の違い(楽天証券)

※1 eMAXIS Slim 米国株式S&P500(投資信託)

※2 SPYD(ETF)

 

本記事の信頼性

・楽天証券で「投資信託(S&P500)」と「米国個別株」で資産運用を行なっています。

・確定拠出年金も「投資信託(MSCI-KOKUSAIインデックス)」と米国株式を中心に運用しています。

 

 

1.キャピタルゲイン投資(投資信託)と高配当株式投資(ETF)の商品特性の違い

(1)キャピタルゲイン投資(eMAXIS Slim 米国株式S&P500)とは?

キャピタルゲイン投資とは、株価の「値上がり益」(キャピタルゲイン)を目的とした投資です。

例えば、購入時の株価が「10万円/株」で、「15万円/株」に値上がり、そのタイミングで売却した場合「5万円/株」がキャピタルゲインとなります。

つまり、株価の成長に期待する投資手法となります。

 

eMAXIS Slim 米国株式S&P500」は、S&P500に連動する投資効果を目指す投資信託であり、キャピタルゲインを狙うことができます。

 

S&P500とは:GAFAMを中心としたアメリカの代表的な500銘柄を時価総額で加重平均し指数化したもの

 

■キャピタルゲイン投資(S&P500)の凄み

・30年間(1989年〜2019年)の平均利回り7.9%で、約12倍に増大

 

(2)米国高配当株式投資(SPYD)とは?

高配当株式投資とは、言葉のとおり高い配当(インカムゲイン)を目的とした投資です。

■高配当のメリット
・不労所得(新たな収入源)
・株価が下がってもお金はもらえる
・お金が振り込まれ、お金がお金を生む実感をもてる

 

しかし、一般的に高配当ほど業績不振の可能性が高い傾向にあります。

株価の成長見込みがないことから、配当で株主を獲得するしかないためです。

そこで、財務健全性などあらゆる観点から専門家が銘柄を選定したETF(上場投資信託)を活用すると、ほったらかしで資産形成ができます。

S&P500の中でも高配当上位80社銘柄で構成されたETFが、SPYDです。

 

■高配当投資の(SPYD)の凄み(2021年5月時点)

・直近利回り:6.14%

・3年トータルリターン:9.93%(配当込み)

 

(3)まとめ

直近、5年(2015年〜2020年)の比較では、キャピタルゲイン投資の方が利回りが良いです。

配当込みで計算した結果は以下のとおりです。

■VOO(*)

・上昇率:155%

*eMAXIS Slim 米国株式S&P500は、2018年7月3日開始のため「VOO」で比較

VOOとはS&P 500指数の投資パフォーマンスに連動するバンガード社のETF

 

■SPYD

・上昇率:116%(▲39%)

→今回のコロナショックでオールドエコノミー高配当株(*)がダメージを大きく受けたため▲39%と大差に。

(本来配当金に課税されるため、もう少し下がる)

*オールドエコノミーとは、伝統的な産業やそれらを中心とする経済のことで、鉄鋼や造船など重厚長大産業のことを指す場合もあります。

 

銘柄が多く分散効果が効くこと、配当課税(10%)が少ないことからも、キャピタルゲイン投資の方が資産増大という点で効率的といえます。

 

 

2.キャピタルゲイン投資と高配当株式投資の手数料・為替コストの違い

成長株と高配当株の比較

【凡例】青字:メリット、赤字:デメリット

 

再投資にかかる税金と手間がかからない分、キャピタルゲイン投資である「eMAXIS Slim 米国株式S&P500」の方がお得と言えます。

 

インカムゲイン投資の「SPYD」では、分配金の再投資にかかる税金(※)と手間の他に、楽天証券では買付手数料が発生してします。

※分配金の米国からの課税軽減制度はあるが、条件があり手続きも手間

 

(1)eMAXIS Slim 米国株式S&P500

■イニシャルコスト

・買い付け手数料 : 無料

・為替コスト : 基準価額に反映されており、円安になると価格が上がるようになっている

 

■ランニングコスト

・信託報酬 : 0.0968%(税込)

・分配金/再投資 :ファンド内で再投資

 

(2)SPYD

■イニシャルコスト

・買い付け手数料 :

①2.22ドル以下:0円

 ②2.22〜4444.451ドル未満:約定代金の0.495%

③4444.451ドル以上:22ドル(税込)

・為替コスト : 購入時の為替レート

 

■ランニングコスト

・信託報酬 : 0.07%(税込)

・分配金/再投資 : 受取/1口単位で再投資(分配金に30.3511%)

*米国10%、日本20.351%

 

(3)参考VOO

VOOは、S&P500指数に連動する運用を目指すETFです。

運用構成銘柄は「eMAXIS Slim 米国株式S&P500」とほぼ変わりません。

「投資信託」か「ETF(上場投資信託)」かが大きな違いです。

VOOにはメリットはありますが、分配金の再投資にかかる税金と手間から、「eMAXIS Slim 米国株式S&P500」がおすすめです。

 

■イニシャルコスト

・買い付け手数料 : 無料

ETFのため、購入価格を株式の同じように、希望する金額(指値)に設定し、購入することが可能。

取引時間中の価格の幅の中に、注文した指値が当てはまれば、市場の終値より安く購入することができる。

 

■ランニングコスト

・信託報酬 : 0.03%(税込)

・分配金/再投資 : 受取/1口単位で再投資(分配金に30.3511%)

*米国10%、日本20.351%

 

3.まとめ

「インカムゲイン投資」よりも「キャピタルゲイン投資」の方が資産形成効果が高いと言えます。

 

2015年〜2020年の実績では、「キャピタルゲイン投資」の方が利回りが高いです。

■キャピタルゲイン投資:VOO(*)

・上昇率:155%

*eMAXIS Slim 米国株式S&P500は、2018年7月3日開始のため「VOO」で比較

■インカムゲイン投資:SPYD

・上昇率:116%(▲39%)

 

コスト面でも「キャピタルゲイン投資」の方が魅力的です。

楽天証券で購入する場合は、インカムゲイン投資(SPYD)の購入には「買い付け手数料」がかかり、

分配金を再投資する際に税金が発生します。

 

以上のことから、キャピタルゲイン投資である「eMAXIS Slim 米国株式S&P500(投資信託)」と「VOO(ETF)」への投資が望ましいでしょう。

 

購入金額を少しでも安くしたい場合は指値注文が可能な「VOO」が魅力的ですが、

分配金受取の課税を防ぎ、ファンド内で再投資できる「eMAXIS Slim 米国株式S&P500」の方がお勧めです!

 

では、また!

 



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サービス業のマネジメントに従事しているアラサー会社員です。 このブログを通して、読んで頂けた方の人生に「少しでもプラスの影響」を与えられればと考えています。日々の学びをこちらで発信していきますので、どうぞよろしくお願いいたします!

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